400デイズ (原題:400DAYS)

「400デイズ」

400デイズ [DVD]

 

あらすじ

地下に建設された施設内で400日にわたって生活するという実験に、4人の宇宙飛行士が参加する。順調に地下での生活を送っていた彼らだが、実験開始から200日目に地上の本部へメッセージが送れなくなってしまう。その後、彼らは幻覚にも悩まされるようになる。そして実験開始373日目に、外からハッチをたたく音が施設内に響き渡る。実験を中断して地上に出る宇宙飛行士たちだったが。その前には荒野が広がっていた。さらに、地球上には存在しないはずの物質が大気中に確認され……。

シネマトゥデイ

キャスト

役名役者名
セオ・クーパーブランドン・ラウス
エミリーケイティ・ロッツ
バグベン・フェルドマン
ドボラクデイン・クック
ウォルターグラント・バウラー

 

レビュー

宇宙飛行士が閉鎖された狭い空間で400日生活するという実験を行うというもの。

一応ジャンルとしてはSFに入るだろうが、SFと呼ぶにはSFに失礼だろう。

 

冒頭は記者会見からスタートする。

そこでは実験するメンバーが集まっており、記者の質問に受け答えするのだが、

主人公である船長のセオ・クーパーは二日酔いで顔にアザを作った状態で参加しているのだ。

外部に向けての記者会見にあからさまなアザをつけてぶっきらぼうな態度で

「恋人に振られて二日酔いなんだ、何も話すことはない」と言う。

メンバーと責任者が苦笑いしながら続ける。

まず精神的に不安定になっている、またなりやすいキャプテンの下で

400日も生活する実験に成功できるだろうか。

しかも外部向けの記者会見で無愛想な態度を取ってしまうような人間だ。

同僚も不安で仕方ないだろう。

責任者も適任はセオ・クーパーしかいないと言って勧誘していたが、

適性は皆無と言っていいのではないだろうか。

ちなみに施設に入ってすぐわかるのだが、医者として乗り込んだ女性エミリーが恋人である。

これは終盤に判明するのだが、エミリーは責任者に言われて別れを切り出したのだ。

それ以外の描写は特にない。微妙な関係性から起こる雰囲気や言動も無い。

もちろんストーリーの流れにも関わってこない。

 

施設に乗り込んだ後は7日目にトラブルが発生。通信が途絶えてしまい、

太陽光パネルの不具合?か何かで電力不足になるが運用には問題ないレベル。

その後は平和に過ごし一気に200日後。

この頃からメンバーの精神状態が悪化し、情緒不安定になったり幻覚を見たりする。

その後はまた一気に飛んでおよそ1年経過。(残り35日)

バグが息子の幻覚を見る。

373日目になり、突如としてハッチ部分を叩く音がする。

メンバーは放っておく選択を取るが、夜中に侵入者が現れる。

ロード・オブ・ザ・リングのゴラムを思わせる風貌だ。

あまりビックリしなかったが特殊メイクで顔ドアップという典型的なジャンプスケア。

というか簡単に外部から侵入できるということは、

呼吸に関する問題(酸素関連)のテストは出来ないのでは…?

そもそも簡単に侵入されたらダメだと思うが…。

そしてエミリーが無呼吸状態に陥っている間に侵入者が逃げてしまう。

逃げてしまうのだが、サラッと流すメンバー一同。

 

ここで外に出て様子を探ることに…。

数時間歩いてわずかな明かりが付いた町を見つける。

そこでなぜか営業しているダイナーを見つけて話を聞こうとするのだが、

どうも人々の様子がおかしい。

話を聞くとどうやら月に何かが衝突して地球上に粉塵が降り注いでいるらしい。

その後、お隣のバーへ移動するとドボラクがナンパしてどこかへと消えてしまう。

これ以降は特に何も無く出番は終わり。

 

ダイナーに泊めてもらうことにした3人。

見張りとして起きていたバグはまた幻覚を見てしまう。

そして2人が起きて399日目、バグがいなくなってしまう。

町の人からは幻覚見てたんだと言われるが、これ以降は特に何も無く出番は終わり。

町の人から宇宙船へ戻れと言われて、「なぜ宇宙船のことを知っている?」

主人公は不審に思うのだが、ガッツリ宇宙服らしきものを着ているわけで、

そこまでおかしいと言えるレベルではないだろう。

そして2人で逃げている最中にはぐれてしまい、

なぜかふと建物内に入ってしまったセオ・クーパー

その中には以前、施設に侵入してきた人と同一人物なのか、

それともよく似た人間なのかはよくわからないが、

ゴラム似の囚われている人物を発見して開放する。

食人を連想させるような描写だが、特にこの後の展開には何も影響しない。

 

2人は合流し施設へ戻るが、追跡され数人が襲撃にくるが、これを撃退。

そこでちょうど400日を迎え、訓練終了したとの映像が流れる。

困惑した表情を浮かべる2人。ハッチからわずかに漏れる光。ここで終了。

地上の町も訓練施設で大掛かりな訓練施設と化していたのか、

ラストの映像もハッチも時間が来ると

自動的に開くようになっているだけだったのか、

観ている人間にはわからない。

 

 

 

「結末は観た人の想像におまかせします」というのは、

個人的には嫌いではないが、この映画に関しては最も悪い手法だろう。

何もかも投げっぱなしなのだからラストぐらいしっかりと決着をつけてほしいものだ。

この映画は結末だけでなく、なにもかも全ての要素において、

観た人の想像におまかせしますといったような感じだ。

全編を通してどっちにも受け取れるような中途半端な描写があったり、

一切説明が無かったり、うやむやなまま放置されたり、

完全に意味不明だったり、とにかく何に対しても答えのない、

ひたすらモヤモヤだけが残る映画だった。

 

適当にそれっぽいシーンを入れて、「あとは観た人が勝手に深読みしてくれるだろう」と、

安易な発想で作ってしまったのだろうと思わざるを得ない。

無理矢理深読みすれば、ワクチン注射は毒だとか(ドボラクが気にしている)、

訓練は外に出ることも含まれていて、暗視装置で監視されているとか。

ただ適当なシーンばかりなので、浅い深読み?になってしまうのだが。

 

理解できない描写やシーン、構成が他にも多く見受けられる。

侵入してしまったネズミを素手で触った挙句、名前を付けて飼おうとするなど、

宇宙飛行士候補とは思えない振る舞いをするバグ

セオ・クーパーエミリーの幸せだった頃の回想シーンが

度か唐突に入るが特に意味はない。

上にも書いたが、執拗に感染予防用のワクチン注射のシーンを挟むが特に何も無い。

地上に出てから何度か、何者かが暗視装置を通して

見ているようなシーンがあるが意味不明、などなど。

 

細かいツッコミになるが、地上に出て町を見つけた際に

ヘルメット部分に木のようなものが反射している。

あのシーンは町の明かり以外は真っ暗なのだから

この見え方はよろしくないのではないだろうか。

 

他に地上に出た際に、「周りには木が生い茂っていたはず」などというセリフがあったが、

冒頭の記者会見で景色がメインに映るシーンはほんの一秒程度しか無いため、

正直自分は全く覚えていなかった。

地上に出た際のインパクトを強めるためには、

冒頭でもっとしっかり周りの景色を印象付ける必要があったと思う。

 

B級映画好きというよりかは、寛大な心を持って笑える余裕が無い人にはオススメできない映画と言えるだろう。